オルタナ広告研究部
青い商人 – 伊藤忠商事新聞広告30段
[2016/3/1 日本経済新聞 新聞広告30段 伊藤忠商事]
毎年、就職活動解禁日の新聞広告は企業からのメッセージ性のあるものが多くとても楽しみにしています。
今年の解禁日は3月1日。ちょうどウチの事務所もオープンの日で、いつもより新鮮な気持ちで日経新聞を読んでいました。様々な企業が就活生を意識した広告メッセージを表現しているなかでも伊藤忠商事の広告がとても素晴らしかった。
1974年のひとりの新入社員は生意気なもの言いで、配属されるなり「伊藤忠商事ともあろう企業が “日本”のため、なんていう狭い視野でものを考えていいのですか?」と。当時の副社長に対しての発言だそう。まわりは彼をどう扱ってよいものか戸惑うほどだったそうです。
しかし彼は古い固定概念を壊し、新しい価値観により生まれた「ブランドビジネス」により斜陽だった輸入繊維部は存続の危機を免れたようです。
理解されないことや敵を作ったこともあるだろうけど、その革新性がある時は歴史ある物の価値を守り抜いたんですね。(記事より)
そんな彼が現在の岡藤社長だそうです。
現状の理不尽さに気が付くだけでなく、その代案を実際に実行した行動力と度胸に心が打たれました。
そんな社長も会社も素晴らしいです。
こんな広告を学生時代に見ていたら、例え受かる可能性が少なくても僕は迷わず伊藤忠商事を受けていただろうな。
いつも伊藤忠商事の広告にはやられますが、今回のも素晴らしいストーリー広告でした。
Webサイトでアーカイブされていますので読むことができます。
学生さんはなかなか新聞を読む機会がなく、就活だから読まないとななんて焦る方も多いと思います。でも記事だけじゃなくて新聞広告って実はとても楽しくて企業の内面やストーリーがわかることもあります。
掲載料も高く(参考:日本経済新聞広告料金早見表)、影響力も大きいので企業さんの本気具合が出ていて大好きです。僕が広告を好きになったきっかけのひとつでもあります。
もしかしたら不純な動機かもしれないけど、広告の企業メッセージを読むために新聞を購読するというのもいいですよね。もし活字に慣れていないのであれば、一般の記事よりも広告ビジュアルは入りやすいと思います。
僕たちの広告創作活動も、古い固定概念に負けずオルタナティブな精神で行きたいと思います。(伊藤忠商事を引き合いに出すには恐れ多いですが…)
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