オルタナ広告研究部
ぼくは歌う。君は?
– 2007年 マイナビ転職広告
[2007年マイナビ転職 新聞広告/駅広告ポスター/ステッカー コピー(一部)]
10周年ということで少しだけ振り返りますが、10年前にボクの背中を押してくれた広告があります。
会社員生活をしながら夜に写真の専門学校に通っていた頃、満員電車でドアに押し付けられている時に見上げると、スガシカオさんの写真とこのコピーで構成されたマイナビ転職の広告がありました。
画像を持っていなく、当時の広告年鑑などにも載っていない(探せていない)のですが、こちらの方のブログで新聞広告の写真が残されていました。※感謝です。
“転職って広告が言うほどカンタンじゃない。
仕事はうまくいっていた。
それでもやりたいことがあった。
辞表を書いたのが28歳。
サラリーマン時代に貯めた100万円を手に、
家に独りこもって曲作りに没頭した。
自分は天才だと信じる心と、
もしかしたらダメかもしれないという心の間で揺れた。
それでも曲を書き続けたのは、自分には音楽しかなかったから。
30歳でデビュー。業界の常識では考えられない遅すぎるデビューと言われた。
あれから10年。
ぼくは歌う。君は? スガシカオ”
スガシカオさんの音楽も、ミュージシャンになったストーリーも知っていたので当時のボクにはグッときてしまいました。ギュウギュウ詰めの電車の中で「僕は撮る」だなと恥ずかしながら本気で思い、少し世界が広くなったことを覚えています。
広告というのは不意に突然目に入れられるので時には煙たがられることもあるツールですが、誰かのタイムリーなタイミングに出会うとその人の人生まで良い方向に変えてくれることだってあります。すごい力。
この時スガさんがデビュー10周年。素晴らしいディレクションとキャスティング、そしてコピーと広告写真だと思います。こんなことって、広告クリエイティブの特権ですよね。
誰かのタイムリーな広告を。
この広告のおかげで何年経っても初心を忘れずに仕事ができています。
ちなみにスガさんのデビューは20年前のぼくの誕生日。(どうでもいい情報ですが)
しかし、黄金の月は名曲ですな。
スガシカオ “黄金の月”