オルタナ広告研究部
人のための道具だから。社会のための道具だから。
– コマツ 2016/6/20 日経新聞広告30段 –
[2016/6/20 日本経済新聞 新聞広告30段 コマツ]
世の中にはまだまだ知らないことがいっぱいあるなと思う。
日経新聞を読んでいると、たまに全面の広告でドキッとさせられます。今日のコマツの広告も写真が素敵でドキッとしました。
今回のコマツの広告ストーリーは、経験の少ない若いオペレーターでも「スマートコンストラクション」というICTソリューションによってどのくらい精度高く仕上げることができるのかの実証実験。
業界には全く詳しくないけど、ブルドーザーをコントロールするのは経験値がものをいう職人技なのだという想像はできます。そしてストーリーのオチ(結果)は写真の通りである。
大いなる技術とそれが役に立つ現場の結果を、日経新聞2ページを使って堂々と自慢する。
写真は「事実を現場で撮影した表現」であり、リアルなものである。そのリアルには、そこに至ったストーリーがある。ストーリーには主役や脇役、場所や時代背景などの情景や存在する。
物語は文章で伝え、その情景はビジュアルで伝える。
もしかしたらこの「スマートコンストラクション」の開発は、長文小説が書けるほどのストーリーが存在するのかもしれないけど、広告はそれを読み手に想像させることによってこの新聞広告というフィールド内でおさまっているのかもしれない。若手社員が挑戦して先輩が見守るってだけでも泣けるようなストーリーがあるかもしれませんよね。
全然知らない業界のことだけど、人と人のストーリーにはなぜか共感が生まれ、興味がわく。
素敵な広告だと思います。
もし自分がこのビジュアルを(勝手にですが)考えるのであればかなり迷ったと思います。
・この写真のような仕上がった様子
・逆アングルで、ブルドーザーを操縦している若手社員目線のビジュアル
・若手社員の操作を見守るベテラン操縦士さん目線のビジュアル
・ICT技術を全面に押し出す、または開発者目線のビジュアル
etc.
作戦会議や撮影の現場ではどのようなビジュアル案が出されたんだろう。
そしてこの最終的なビジュアルに決定した決め手はなんだったんだろう。
なんて、制作過程の様子を妄想しながら広告を見るとまた面白いですよね。映画とかでもメイキング動画とか大好き。そこにもドラマがありますからね。
まぁ、ただの妄想癖ですけど。笑
人のための道具だから。
社会のための道具だから。
というキャッチコピーも素敵です。一歩引いて、人や社会のこと第一に考えている企業メッセージがすごく伝わってきます。
このコピーが大きく使われてもいいのになとも思うくらいですね。
グッとくる広告には、グッとくる素敵なストーリーがありますよね。