オルタナ広告研究部
twenty one pilots
– 正しい決断をした方が、結果はより良いものになるって思うんだ。
twenty one pilots / – Guns For Hands
2015年のフジロックで一番衝撃だったtwenty one pilots。
ラジオでは良く聴いていたけど、ライブ・パフォーマンスを生で見て驚きました。
マイクはぶら下がってるわ、飛びまくるわマスクしたり外したりするわ、観客の上でドラム叩くわ、イリュージョン並みに瞬間移動するわ、とんでもない暴れっぷりでした。
フジロックExpressにもあるように、「なんなんだこの二人は」と一気に魅了させられてしまいました。ジャンル分けも難しい彼らの音楽とパフォーマンスはまさに”やんちゃ”で、何故かこういう”やんちゃ”さに人々はやられちゃうんだよね。次は何するんだろうとドキドキさせられる謎さと悪さとワクワク感。
やんちゃな男の子に真面目な女の子がちょっと惹かれちゃうみたいな。それってあまり一般的なビジネスでは見ることが少ないことだけど、そういう興味の持たれ方も面白いと思う。謎のお店とか、Welcomeじゃない雰囲気のBarとか、なんだか気になりますもんね。
こんなボーカルだったらドラム叩くのも楽しいだろうし、こんなドラム叩いてくれたら歌うのも楽しいだろうな。ナイスパートナーです。
ロゴもシンプルでカッコイイ。
でも彼らは(多分きっと)とても真面目で、去年リリースされ爆発的に人気になったStressd Outの歌詞でそれを感じました。
twenty one pilots / Stressed Out
“ストレスでおかしくなっちゃうよ”って内容だけど、そう感じるのは真面目な証拠なんだと思う。そしてそれに共感した人が多く、全米でも1位になるくらいの旋風を巻き起こしたんだろうな。
twenty one pilotsというバンド名を付けた理由も素晴らしい。
戦時中、飛行機のパーツ職人がある不具合に気付きそのまま納品するか直して納品するか悩む。すぐに納品すればお金になる。直せば損をする。悩んだ結果不具合があるまま納品したパーツを使用した飛行機は、結果的に21人のパイロットの命を奪ってしまった。
目の前の利益を優先した場合、すぐに利益は返ってくるかもしれないけど、間違っているかもしれない。時間はかかるけど自分が思う正しい決断をした方が、結果はより良いものになるんじゃないかなって。
そんなアーサー・ミラーの物語を元に、twenty one pilotsと名付けたらしいです。
昨今の大手企業の不祥事のニュースを目にするたびにこの話を思い浮かべます。社会生活をしていると日々様々な決断を迫られるけど、目の前の利益だけを意識するとほとんどロクなことにならない。
広告もそうで、目の前のことばかりじゃなく、しっかりと結果的に良くなる内容を考えて創ることが何よりも大切なんですよね。
なかなか気が付けないことですが、結果的にそれが一番なんですよね。
彼らの音楽を聴くたびに、写真もデザインもコピーももっと結果が良くなる方法はないかなと考えさせてくれます。
本当に悪そうに見られたいなんて思ったら、おそらくロゴもこんなシンプルでスタイリッシュには作らないでしょうね。かなり年下ですが勉強させてもらっています。最高なクリエイティブです。