オルタナ広告研究部
クッキーレス(cookie-less)と、個人情報保護法改正。
– GumGumさんのコンテクスチュアル広告
今年の3月10日に国会に提出された、いわゆる「個人情報保護法」の改正案が、国会にて可決され6月12日に公布されました。
個人情報保護法は、時代とともに個人情報のあり方が変わるため3年ごとに見直しが行われますが、今回はインターネット広告のあり方に影響が大きそうです。
いわゆる「ターゲット広告」は個人が訪れたサイトの情報から、閲覧者を追いかけるように広告を出すものですが、その主たる技術がブラウザのcookie(クッキー)という技術。
cookieはWEB上でのID・パスワードなどを覚えてくれたり、ショッピングカートに入れたものを覚えていてくれたり、とても便利な技術であるのですが、企業側もそのcookieのデータを利用してWEBマーケティングに使用することがあります。
例えば一回訪れたサイトの広告が、別のサイトを見ていてバナー広告で出てくるというものです。
しかしこれを「勝手に自分の情報を利用して気持ち悪い」「追いかけられているみたいでイヤ」という声が多く、問題となっています。
EUでは2018年にGDPR(EU一般データ保護規則)という個人情報保護の枠組みができ、データの扱いには有効な同意が明示的に行わなければならないという義務ができました。
コロナショックでも感じましたが、日本企業はデジタル面で世界から遅れをとっており、データの扱いや個人情報保護という観点でも同様のようです。
最近ではGoogleやAppleも表明し、データの扱いやクッキーの利用にも変化が起こってきています。これからはデータを正しく扱わないと社会的義務を果たしていないことになってしまいます。
インターネット広告市場は右肩上がりで、ターゲット広告もそれを牽引する一つ。
ただ、不快なものは「広告として逆効果」になってしまうため、クッキーレスは広告の本質的な役割に戻るいいきっかけになるのかもしれませんね。
そんな中で、GumGumさんの「コンテクスチュアル広告」というのは未来がありそうですね。
GumGum WEBサイトより
クッキーに頼るのではなく、そのWebサイトの文脈や画像からAIが判断して、閲覧者に刺さりそうな広告を出すそうです。しかもクリエイティブ面も今までのようなバナー広告より訴求力がありそうです。
しかし広告というのは時代の空気感や人の気持ちによって常に進化していく、とても興味深いものですな。
特にWEBマーケティングは進化が速い。
写真・動画・デザイン・コピーなどのクリエイティブも、その空気感を掴むのがとても難しいけど、それがまた楽しいところなんですよね。
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