オルタナ広告研究部
センスは生まれついてのものではない。
-「センスは知識からはじまる」(水野学さん著)
[「センスは知識からはじまる」 水野学さん著]
中小企業診断士としての活動をする中で、あまりクリエイティブを意識されたことのない企業さんや士業の方とクリエイティブについてのお話をする機会が増えました。嬉しい限りです。
その中で、「センスがあるからそういう発想ができるんですよね」「私にはセンスがないから」という言葉を良く耳にするようになったので、その時はこの本をオススメするようにしています。
(もちろん水野さんと面識などありませんので勝手に、です。)
クリエイターとして活動していると周りの方々も必然的にクリエイターが多くなるのであまり気にならなかったのですが、やっぱり「センス問題」というのは、クリエイターではない方のクリエイティブに対する壁になってしまっているのかもしれません。ボクも昔はその壁がありました。
「センス」は写真やデザインのセンスだけでなく、サッカーのセンス、経営のセンス、ファッションセンス、音楽のセンス、営業のセンス、プレゼンテーションのセンス、文学的センス、数学のセンスなど、いろんな物事に「センス」とつきます。
大辞林によるとこんな解説です。
物事の微妙な感じや機微を感じとる能力・判断力。感覚。 「ユーモアの-」 「 -に欠ける」
– 出典:三省堂大辞林 第三版
やっぱり「センスがあるなぁ」と思う方と話をすると、その分野においての知識はものすごいあります。これはほぼ100%と言ってもいいくらいじゃないかな。
写真がうまい人はやっぱり写真に詳しいし、デザインセンスのある方はデザインに詳しい。
サッカーうまい人はやっぱりサッカーに詳しい。音楽センスがある方は音楽に詳しい。
経営のセンスがある方はビジネスや世の中の動きに詳しい。
プレゼンテーションのセンスがある人は、どんな展開や資料のデザインや声のトーン・スピードだとその時のお客さんに伝わりやすいかを知っています。
まずはすごい知識量があって、その中で判断力を養い、微妙な違いも感じ取るようになり、自分のスタイルを見つけている方が多いのかなと感じました。
知りたくなって、調べて、知識が増えて、没頭して、自分でアレンジして好きなスタイルを見つけて。
決して生まれた瞬間から身についているものではなく、そういった経験が「センス」を養っているんでしょうね。
それを分かりやすく具体的に伝えている、とても素晴らしい本だと思いました。さすがです。
センスは知識からはじまる
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ボクの夢は、企業さんをはじめ一般の方にももっともっとクリエイティブの楽しさやその力を知ってもらい、ビジネスや生活にも応用されていくことで、もっともっと良い国・良い街になって欲しいと思ってます。偉そうだし壮大だけど、結構本気です。
水野さんのおっしゃる通り、「技術」がピークを迎えると、人は「センス」に向かうと思います。
もう日本は「センス」が重要になっている時代。それが独自性と差別化になり、あらゆるビジネスがコモディティ化する中で企業の存続に関わってくる問題だと思います。
例えば経営状況をどうにかしたいのであれば、どんなコンサルと組むか。
プロモーションをどうにかしたいけど社内の人材資源では難しいのであれば、どんなクリエイティブディレクターと組むかが大切になってくると思います。その選択にもセンスが必要なので、まずは知識を得ることが大切なのかもしれません。
意外なのは、中小企業診断士をはじめコンサルタントにクリエイティブに詳しい方が少ないこと。
クリエイティブがビジネスを強くしていくための要素であるならば、これは国を挙げてでも増やしていく必要があるのでは?と今は感じています。
(Eテレは「センス」を分かりやすく身につけられる番組を結構放送してますね。)
だからこそ、ボクのできる限りではありますが、撮影のときでも、クリエイティブディレクターとして活動するときも、コンサルのときでも、写真教室のときでも、そういったクリエイティブ・マインドを知ってもらえるように、ボクが学び経験してきたことは、まずは「知識」としてたくさんお伝えしていきたいなと、そんな役割を担いたいなと思っています。
ということで、ボクももっと磨かないとですね。
メッシやC.ロナウドのようなスーパーヒーローにはなれないかもしれないけど、「名前も知らないけどセンスいいなぁ」と思われるようになりたいですね。
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