オルタナ広告研究部
「ブレボケアレ」と、ウィリアム・クライン。
21_21 DESIGN SIGHTにて。
[21_21 DESIGN SIGHT 企画展「写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち−」]
4月の晴れた日に、六本木を散歩しつつ、21_21 DESIGN SIGHTに行ってきました。
ロケーションと建築、そしてコンセプトがとても好きな場所です。晴れた日はなおステキ。
この時の展示は「写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち−」。
狙っているようで狙っていない、狙わないとそもそも撮れないけど狙ってもできない。
ブレボケアレ(ブレてたりボケていたり画質が粗かったり不鮮明)な写真はどうも心を揺さぶるみたい。
ディレクターの伊藤俊治さんの文章によると、「カメラを持って都市に出ると、あらゆるものが私を興奮させる」とウィリアム・クラインは言ったそうですが、(おこがましいけど)それはすごく共感です。カメラ持っている時といない時では興奮レベルが変わるんですよね。
ブレボケアレな写真は、日本の広告写真ではあまり見ることはできないけど、はっきり見えなかったり余計な説明が無いほうが見た人の想像力が無限になり、刺激的だろう。
たまにそれを良しとして戦略的にチャレンジする企業さんを見ると本当に嬉しい。
ただ、それをできる商業カメラマンやディレクターが少ないのも事実だと思う。
クライアントワークは依頼主の目があるから、なかなか難しいのも分かる。変なことをやってしまうと、クライアントからNGが出て次から呼ばれなくなるかもという恐怖もあるだろう。
その辺りが「クリエイティブがイニシアチブを取る」必要があるところなんだと思います。そうしないと大体のクリエイティブが似たり寄ったりになってしまい、広告にとって一番致命的な「既視感」のあるアウトプットがたくさんできている。
正解なんて無いんだから、何に刺激を受け、何に心を動かされるのか、その実験をし続けながら表現を考えていきたいですね。そんな時代だと思います。ただ、はるか昔からウィリアム・クラインはそれをやっていたところが凄い。
関係ないけど、この矢印が好き。来るたびにスマホで撮ってるからたくさんあるけどまた撮ってしまいました。
そういうことなんだろうなぁ。きっと。